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【RYT500対象講座】6/12(火) 相方宏/インド政府主導のヨーガのスタンダード化の背景と方向性

タイトル/Title

【RYT500対象講座】
6/12(火) 相方宏/インド政府主導のヨーガのスタンダード化の背景と方向性

申込み


日時/Dates

2018年6月12日(火) 10:00-13:00


内容/Discription


近年急速な経済発展が続く本家インドで起きている、ヨーガを巡る「地殻変動」とも言える大きな変化についてをお話しします。

ヨーガの近代化と一般社会への普及が1920年代にはじまり、1960年代以降、ヨーガは神秘的な装いを纏うインド発の健康法や精神性探求に関連したボディーワークとしてインド国外に伝搬して行きました。
本家インドでは、ヨーガの再定義と国策化による国民の福利厚生に向けたヨーガの積極的な振興、同時にヨーガを世界的な文化戦略へのツールとする政策が進行中です。
インド側が「ヨーガはインドの伝統文化である」という主張を前面に押し出して来た今、ヨーガと健全な関係を築いて行く上での日本人としての主体性についても考えていきましょう。


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インド政府主導のヨーガのスタンダード化の背景と方向性
- AYUSH省刊行の公式ガイドブックを参照して -

ヨーガの近代化と一般社会への普及が始まったのは1920年代です。1960年代以降、ヨーガは神秘的な装いを纏うインド発の健康法や精神性探求に関連したボディーワークとしてインド国外に伝搬して行きました。元々ヨーガは無限とも言える多様性を許容するインドの宗教文化に伝承されて来たことで誤解や混乱も多く、基準となるスタンダードな理論や技法への認識の欠如がヨーガの常識的理解や社会的受容への障害になっていました。

近年急速な経済発展が続く本家インドでは、ヨーガを巡る環境にも「地殻変動」とも言える大きな変化が起きています。2008年にモラルジ・デサイ国立ヨーガ研究所(MDNIY)主導によりインド・ヨーガ協会(Indian Yoga Association)が結成され、ヨーガの教育プログラムのスタンダード化が着手され、2014年に中道右派・ヒンドゥー民族主義系のインド人民党(BJP)主導の政権が成立したことで、政府レベルでのヨーガの再定義と国策化による国民の福利厚生に向けたヨーガの積極的な振興、同時にヨーガを世界的な文化戦略へのツールとする政策が進行中です。2015年から「6月21日」が国連の「インターナショナル・ヨーガ・デー」として制定され、それに合わせて国立ヨーガ研究所が「ヨーガ共通手順(Common Yoga Protocol)」を策定、そしてインド政府AYUSH省後援でQCI(Quality Council of India/インド品質協会)によるヨーガ指導者検定試験制度(SVCYP/Voluntary Certification of Yoga Professionals)が導入され、2017年には公式ガイドブックも出版されました。また、インド国内の各大学へのヨーガ学科の開設が加速され、スポーツ省では競技ヨーガも振興されています。

わたしたちがこれからもヨーガと関わって行く限り、インドで政策レベルで現在進行中の動向を無視することは出来ないでしょう。本家インドからヨーガの「実体化」が提示されて来たことは歓迎されることです。とかく今までヨーガには実体のない「鵺(ぬえ)」のようなところがありましたが、ヨーガに関する客観的で公的な基準が明確になって来たことで、今後どのような距離感でヨーガと付き合って行くかの考察と具体的な対応が可能になって来ます。またインド側が「ヨーガはインドの伝統文化である」という主張を前面に押し出して来たことで、ヨーガと健全な関係を築いて行く上での日本人としての主体性も問われて来ます。

特に、昨年インド政府AYUSH省から公式ガイドブックが刊行されたことは画期的です。その内容はヨーガそのものに関する知識の公的な基準であり、常識的・学術的な知識の精度を上げて行くための共通のプラットフォームです。これが基準となることで、ポーズと筋肉の解剖生理学への偏り過ぎ、サンスクリット語の文献解釈への偏り過ぎ、特定の宗教家の教えへの偏り過ぎ、特定の瞑想法への偏り過ぎ、直接ヨーガと関係ないアーユルヴェーダへの偏り過ぎといった、よく起きがちな知識のアンバランスも修正されて行くことが期待されます。

公式ガイドブックの『Certification of Yoga Professionals Guidebook for Level 1(Instructor)』は次の10章で構成されています。

1章 ヨーガとヨーガ実習への序論
- ヨーガの語源
- ヨーガの起源と発展についての簡潔な紹介
- ヨーガの達成目標と個別の目的
- ダルシャナ(6派インド哲学)の概説、特に「サーンキャ・ヨーガ」を参照
- 4つの「ヨーガの道」の概説
- ヨーガとヨーガ実習の原則
- ヨーガ実習の指針

2章 ハタ・ヨーガ入門
- ハタ・ヨーガの紹介
- 主要なハタ・ヨーガ文献の概説、特に『ハタ・プラディーピカー』と『ゲーランダ・サンヒター』を参照
- ハタ・ヨーガ修行の成功要因(サーダカ・タットワ)と失敗要因(バーダカ・タットワ)
- ハタ・ヨーガに於ける「ガタ」と「ガタ・シュッディ」のコンセプト
- ハタ・ヨーガに於ける「シャット・クリヤー」の目的と有用性
- ハタ・ヨーガに於ける「アーサナ」の目的と有用性
- ハタ・ヨーガに於ける「プラーナーヤーマ」の目的と重要性

3章 パタンジャリ入門
- パタンジャリに依るヨーガの定義、性質、目的
- 「チッタ」と「チッタ・ブーミー」のコンセプト、「チッタ・ブルッティ」と
「チッタ・ブルッティ・ニローダ・ウパヤ」(アビヤーサとヴァイラギャ)
- 「イーシュヴァラ」と「イーシュヴァラ・プラニダーナ」のコンセプト
- 「チッタ・ヴィクシェーパ(アンタラーヤ)」とそれらの付随現象(サハブーヴァ)
- 「チッタ・プラサーダナ」のコンセプトと精神衛生との関連
- ヨーガに於ける「クレーシャ」とその重要性
- パタンジャリの「アシュターンガ・ヨーガ」、目的と効果、その重要性

4章 人間の身体組織、ヨーガと健康
- 身体組織の9体系
- 様々な身体組織の機能
- 感覚器官
- 感覚器官の神経筋協調
- 運動生理学の基本的理解
- ホメオスタシス(恒常性維持機能)
- 人体の諸部位への様々なアーサナの効果
- 特定のヨーガ実習の制限と禁忌

5章 ウエルネスへのヨーガ
- 健康の意味と定義
- ヨーガ的な健康と病気の概念
- 「パンチャ・コーシャ」のコンセプト
- 「トリ・グナ」のコンセプト
- 「パンチャ・マハーブータ」のコンセプト
- ヨーガ的な健康的生活の原則
- ヨーガ的なダイエットと栄養摂取

6章 ヨーガとストレス・マネージメント
- 人間の精神:ヨーガ的コンセプトと現代的コンセプト、行動と意識
- 欲求不満、葛藤、心身症
- 心と身体の関係
- 精神衛生とヨーガの役割
- 心の健康:ヨーガ的視点
- 心の健康のための祈りと瞑想
- 心の健康のための心理社会的環境の重要性(ヤマ・ニヤマ)
- 現代科学とヨーガに依るストレスのコンセプト
- ストレス・マネージメントとライフスタイル・マネージメントに於けるヨーガの役割

7章 人体の関節とヴィヤーヤーマ
- 主要な関節の動き
- スークシュマ・ヴィヤーヤーマ
- シャット・クリヤー

8章 スーリヤ・ナマスカールとアーサナ
- スーリヤ・ナマスカール(太陽礼拝)
- スーリヤ・ナマスカール実習技術
- アーサナ
- ヨーガに於ける脊柱の5種類の動き

9章 プラーナーヤーマ
- プラーナーヤーマ概論
- 瞑想のコンセプト
- 瞑想の実用技術

10章 実習指導
- ヨーガを教えること
- 実習者を指導する原則とスキル
- グループでのヨーガ指導


参加対象


どなたでもご参加いただけます。


持ち物


筆記用具
※座学のクラスです。


価格/Tuition


3,000円(税込)

*受講料はお振込でお願いいたします。当日現金払いの場合は+500円をお支払いいただきます。
*UTLコミュニティメンバーにご登録でない場合は、別途登録料1,000円が必要になります。メンバー登録費は当日受付にてお支払いください。


場所/Venue


アンダーザライト ヨガスクール


講師


相方 宏(あいかたひろし)

1959年広島生まれ。
東京外語大インド・パーキスターン学科卒
インド・マハーラーシュトラ州のカイヴァリヤダーマ研究所付属カレッジ卒(DYEd1990-91)、
1991-93年プネー大学哲学科修士課程(M.A.)修了、博士課程(Ph.D.)退学。
1995-7年インド政府給費留学生(ICCR)、1996年インドの大学講師資格試験通過(SET/哲学)。
近代的ヨーガ研究のパイオニアであるスヴァーミー・クヴァラヤーナンダ(本名ジャガンナート・グネ:1883-1966)に育成され、
クヴァラヤーナンダの設立したカイヴァリヤダーマ研究所の主要スタッフであったマノハール L.ガロテ博士(1931-2005)に師事。
ガロテ博士が1996年に設立したロナヴァラ・ヨーガ研究所のプログラム・コーディネーター。
また、2014年に開講されたカイヴァリヤダーマ研究所のオンラインコースのメンター。
1998年よりタイランドの大学でヨーガを医療・教育分野に導入する活動に従事(シーナカリンヴィロード大学哲学宗教学科、ソンクラー大学看護学部)。
2004年よりMCB財団タイ・ヨーガ研究所共同ディレクター(http://www.thaiyogainstitute.com/)。
1年をインドでの「研究期間」とタイの大学での「仕事期間」に割り当てながら、
ヨーガをテーマとしたインド研究とアジアの精神性の探究を続ける。
近年は広い意味での仏教的精神性とヨーガの統合的理解へ注力中。



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