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ヨガで繋がる-YOGA IS UNITY Vol.8

photographs by Yoshiko Meguro text by Naomi Funakawa interpretation by Hitomi Watase

頭蓋仙骨療法やマッサージのトレーニングを受け、解剖学に習熟するティアス。
正しい体の動かし方で、トラウマを克服できる可能性を示唆します。
「痛み」は人間が共通して持っているものだと認識することも必要です。

ティアス・リトル

内臓を活性化させるアルダ・マツィエンドラアサナ(魚の君主)。胃や肝臓、腸などの臓器に血液を流し込んでくれる。▲

ヨガのアサナは仏教の座禅に似た「動く」瞑想です。

UTL ティアスが今教ええているヨガの特徴は?
ティアス プラジュナ・ヨガと言い、サンスクリット語で叡智とか洞察力といった意味があります。肉体的なことからマインドのトレーニングまですべての側面を教えに反映させています。そして、解剖学の構造学的なことを教えています。僕自身マッサージセラピストとしてトレーニングを受けていますし、頭蓋仙骨療法のセラピストでもあるので、その知識もヨガの教えに反映させ、体のより繊細な部分に働きかけていくことができます。具体的には、体がどうやって開いていったらいいのか、開いていくことでナディ(気)がどのように流れていったらいいのかということに働きかけるので、プラーナ(エネルギ―)の流れがどのように流れていったらいいのかが、よりわかりやすく説明できるようになります。
UTL 解剖学も同じ?
ティアス ティーチャートレーニングでは、体の構造的なものを中心に学んでほしいんですね。なぜなら、肩や仙骨の位置がどこにあるかによって、プラーナの流れが変わって来るからです。体の正しい位置を覚えてもらうために、解剖学的な知識は必要だと感じます。
UTL 道元の曹洞宗を学んでいたとか。
ティアス はい! 道元にはすごく影響を受けています。マインドに対する働きかけや考え方がすばらしい。道元はきっとすばらしいヨギーだったと思います(笑)。禅の訓練は瞑想や座禅が基本ですから、ヨガと非常に共通していますよね。アサナは瞑想に入るための一つの道具ですから、ヨガは動く瞑想を教えていると言えます。日本には禅のルートが根付いているのもあり、好きな国です。昨年、永平寺に行きました。(合掌して)すごくよかった。
ティアス・リトル

アシュタンガのポーズの1つで、腰と仙骨に働きかけるブジャピダサナ。腰が軽くなり力強くなるポーズ。

 

精神的な痛みは誰でも持っている。

UTL 現在はトラウマ(心的外傷)について興味があるとか。
ティアス ヨガセラピーを勉強しているときに、交通事故や暴力、生命の危機を感じる病気など、何か深いところでの留まりが、トラウマを生み出してしまうことに気づきました。ヨガのクラスは80%が女性ですが、4人のうち1人は感情的あるいは肉体的、性的、その他何らかの形の暴力に悩んでいます。これはかなり多い。トラウマというのは組織が部分的に固まって生じるんです。ファイト・オア・フライトレスポンスというのですが、ストレスに直面したときにフライト(逃走)を決めると、生命力が減少してしまいます。
UTL それをヨガで回復していく?
ティアス 初期は表面的な体の筋肉の堅さに働きかけていきますが、10年以上経てヨガの練習が深まると、感情を内に固めることに働きかけるようになります。
UTL 現在の拠点は?
ティアス ニューメキシコのサンタフェの山奥で、7500フィートのところにリトリートセンターがあります。空気が軽く、それが体に良い影響があると感じます。トレンーングプログラムの中には微細体に働きかけ、不眠症や拒食症、ガンなどの問題を抱えている人たちのための癒すためのプログラムを設けています。
UTL やはり、そういう人々は増えていますか。
ティアス そうですね。仏教の教えでは肉体的にも、精神的にも、全ての人間が体験する苦行があるとされます。我々人間は往々にしてそういう苦しみを持って生まれたものなんですよ。もちろん、現代社会の問題もあると思います。東京、香港、LAなどの人口が多い大都市はストレスが多いので、ヨガが一つの解決策になりえます。ただ、精神的な痛みは誰でも持っているのです。それを認識すれば、悩みも軽くなるのではないかと思います。
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