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ヨガで繋がる-YOGA IS UNITY Vol.7
photographs by Kitchenminoru text by Naomi Funakawa translation by Hitomi Watase
穏やかな笑顔でヨガの哲学や呼吸法を合わせて教えているエミール。
ヨガ哲学によると、しあわせは経験したものの中ではなく、予測できないものの中にある。
「日本人はしあわせになる可能性があるのに、そこに辿り着きづらい」と話します。
「1ヶ月ごとに仕事場に行く時間帯や道を変える。1週間に1回パソコンを開かない。小さなことで習慣を脱することができます」▲
誰でもしあわせになる可能性を秘めています。
| UTL | 呼吸法を始めたきっかけは? |
|---|---|
| エミール | 17歳のときに妹を事故で亡くしたんです。この大きな悲しみから逃れる術を探っているときに、ちょうど60年代に流行っていた瞑想に出合いました。毎夏スイスに来ていたインド人の師から瞑想により魂と肉体が一体になること、この世界のものが一つのものだという見方を教わりました。その後、何十年も試行錯誤して、それを理解できるようになったのはここ数年です。 |
| UTL | それまでの間もずっとヨガを? |
| エミール | いえ。何年間も世界中を旅した後、台湾で中国の歴史や哲学、道教を勉強していました。その後、台北でブローカーをしたりネパールで起業したりと、わりと優雅な生活を送りました。インドの古代哲学やプラナヤマを学びながら瞑想は続けていましたが、40歳を過ぎてから体の衰えを感じたんです。ようやく人生が楽しくなって来た頃でした。そこで、初めてヨガのアサナに触れたとき、今まで学んで来た哲学が繋がって、全ての道理が通り、パズルのように足りない部分を埋めることができました。力強いアサナの練習により、静かに瞑想することができたんです。そして、悲しみだけではなく、喜びもまた繋がりました。ヨガを教えているのはここ10年ほどです。教える頃には年寄りになってしまいました。 |
ヨガダンダと呼ばれる呼吸法の道具。右鼻の通りが悪いときは左脇を、左鼻の通りが悪いときは右脇を支え、呼吸のバランスをとる。 |
呼吸のバランスをとることで脳が覚醒する。
| UTL | 日本人の特徴ってありますか。 |
|---|---|
| エミール | 一般論ですが、ヨーロッパの人たちは内面の空間に繋がるのに長く時間がかかりますが、日本人はそれほど長くかかりません。本来、日本人は深い空間に繋がる集中力を持てる可能性があると思います。しかし、社会が要求することが多く、瞑想の領域に入って行くのが難しい環境なんですね。幸せになれる全てのものが揃っているにも関わらず、いろんなものに時間を取られ、ストレスとして戻って来るという状況にあります。 |
| UTL | それはもったいないですよね。 |
| エミール | ヨガのメッセージは自由をもたらすこと。人生に何が起きてオープンな姿勢で受け入れるということを、マインドにトレーニングしていくことです。マインドが拡大していくと、未知の部分を受け入れることができ、脳も覚醒していきます。ものごとは経験によって制限されてしまいます。予測がつかないことをすることによって、習慣を脱することができ、人生が広がっていくのです。その広がりに本当の意味での豊かさがあり、自由や幸福が待ち受けてるかもしれない。本当の自由は予想がつくものではなく、予想がつかないものにあるんですよ。この自由のメッセージをサンスクリット語でモクシャと言い、どのヨガの流派もモクシャを目標にしています。ヨガは脳のケミストリーを変え、予測外のところに導いていく可能性があります。健康的なマインドは、人生をサバイブするために忙しくするように作られています。そこで瞑想する時間を持つと、普段見ることができる限界以上の道が見えてきます。 |
| UTL | 呼吸とケミカルバランスはすごく関係があるんですよね。 |
| エミール | 鼻呼吸は脳のバランスに関係しています。直感が足りないと思ったら、左鼻から呼吸をすると右脳が刺激されます。逆に分析力が足りなければ、右側から吸うと左脳が刺激されます。 |
| UTL | 利き鼻ってありますよね。 |
| エミール | どちらの鼻で呼吸しているか意識してみるといいですよ。瞑想状態になるには、調和のある呼吸にしなければいけない。力強い呼吸法をした後に、一瞬呼吸が止まる瞬間があり、その瞬間に深い瞑想に入ることができます。 |
